夢について

小さい頃はよく夢を見た。

あるときは、雲にしがみついて空を舞ってみたり。
宇宙を駆け抜けながら、新しい友達との出会いにときめいてみたり。

睡眠時間の長さもさることながら、それは知らないことへの憧れだったんだと思う。
わたし自身が目で見た記憶たちは、多分その定義自体が曖昧なまま、夢の中でそのまま夢描かれていたんだな−今になるとそう思うのだ。


幾ばくかの時が流れ、わたしは常識と非常識の檻の中で日々流れる時を移ろうようになった。
「空を飛ぶには、揚力が必要で・・・」「現実的に宇宙を旅するには・・・」
意識しなくたって、そうして学んできた様々な常識の欠片たちは、確実に今のわたしを形成しているし、それはもはや不可欠のものだ。
ただ、それだからこそこうも思う。

−いつから、夢を見なくなったのだろうか、と。

そう思っていたある日、夢を見た。
会社でちょっとした失敗をして、その相手に申し訳ない気持ちで一杯になった夜のこと。
空も飛ばない、宇宙にも行かないけれど、わたしが誰かを幸せにしたいと走って、その誰かと笑いあっている夢だった。

それはひょっとしたら夢ではなく、明日描ける未来かもしれないけれど。
わたしの夢は、きっと空でも宇宙でもなく、もっと近くて大事な場所に眠っている。


Twitterでお世話になってる方のお題をもとに書いてみたら、くさくなった!w