ワールドアパート

このところ、ゼミなんかでインドについて語ることが多い。


インドという国は、正直行ってみたいかと言えば、行きたくない。軟弱な日本人の自分があの環境に耐えられるとは思えないし、多分天然入ってる自分じゃ絶対色々やられちゃいそうで。
それでも、なんだか不思議な魅力をずっと抱えたまま、まるでトラウマかってなくらいにずっと頭のどこかに熱病のように燻ってる気持ち。


それもこれも、多分自分が好きな旅行記ってのが大抵インドに関連してるからなんだろうと思う。それを読んでいる印象だと、言語が雑多で、ホテルは大昔の王家のパレスの名残のものがとてつもなく豪華だということ。そして、車での旅が果てしなく過酷だということだろうか。
一つの紙幣に15以上の言語が並んでいる様を普通に受け入れてるインドの人ってのは、多分現代の人のように差異をもって自身を隔てて拠り所とするわけあじゃなくて、かつて16世紀に類似が知を形成してた時代のように、近しい部分に対して人と繋がろうとする心があるんだろうか−そんなことを思うたびに、インドという異次元空間に対して、ふと見てみたいと思ったんです。
ま、多分一人じゃ行かないだろうと思うけどね。


そして、もう一つどうしても忘れられないのが、アガスティアの葉というやつ。その土地を訪れる人には、アガスティアという聖人が記した預言の葉が置かれていて、その土地を訪れる人全員の過去と未来が書かれているらしい。
どちらかというとオカルトに位置する部類だなーと思ってたんだけど、そもそも誰がそんな目的で葉を書いたのかがとてつもなく興味が。どうやら日本人の名前もきちんと記されてるらしいし、なんとも不思議な話だと思う。
世の中、不思議なことが一つくらいあってもいいよな、と思ったりも。


でも、多分俺はばりばりのリアリストだって自負も片側であったり。ほら、やっぱり人間って矛盾した生き物っすよね?


インド関連でオススメなのは、この妹尾河童の本。全て手書きで作られた本なんだけど、機能美みたいなものと不思議な温かさを感じる。写真なんて一つもないのに、写真とは比較にならないほどの説得力はなんなんだろう。

河童が覗いたインド (新潮文庫)

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