ピアノの森 15巻
- 作者: 一色まこと
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/05/23
- メディア: コミック
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天才を題材にした本が好きだ。ただ、動きがない題材、特に音の場合は絵に表すのが難しい。
最近は、のだめカンタービレなど、音楽をネタにした漫画も増えてきてるような気がするけれど、あれは音をうまく使ったコメディの部分も大きいからなあ。
それに対し、このピアノの森は、珍しく真正面から音の世界と取り組んだ作品。
一人の天才児が成長していき、ついにショパンコンクール本番を迎えているわけです。
自分自身も、音楽に最初触れたときは、ショパンの曲ってあまりにもビビッドでびっくりした覚えがある。弾いていくとひとつ発見があり、また作曲法を勉強するようになってからは、感覚的なように見えてなんとも理論的に音楽が構成されていることに再度びっくり。ただ、だからこそショパンの音楽というのは、自分の色を出しつつ説得力を持たせるというのはとても難しいのではないかと思う。
主人公のカイがいよいよショパンコンクール本番を迎え、ひとつ音を鳴らしただけで、観衆はみんな彼の奏でる森の音に引き込まれる。その心理描写によって、あたかも彼の音が聞こえてくるような気がする、その表現方法にすごくわくわくした。
オレも、そんな涙が出てしまうくらいのショパンを一度でいいから弾いてみたいし、聞いてみたいなあ。
そして、彼を一番意識しているライバルの雨宮くんが、変に落ちてしまうことなく、彼の音楽を奏でられるといいんだけど。
ちなみに、限定版を買ったら、アシュケナージ演奏のCDが1000円上乗せでついてきました。
前奏曲・ワルツ・バラードが中心だけど、この内容で1000円プラスってのは安すぎ。ただ、アシュケナージの音は確かにビビッドで耳を惹くけど、カイの音のイメージとはどうも違うなあ。なんか煌びやかすぎる印象なんすよね。
とはいえ、臨場感高まること間違いないので、もし近くに売っていたらお手元においておくといいかもしれません。なんて宣伝みたいだなw